こんなにすんなり出てきたのは、初めてだなあ。
同級生が事故死したときも、身内が死んだときも、この言葉は社交辞令でしかなかったのに。
宇山秀雄(宇山日出臣)氏が、亡くなられました。
http://www.yomiuri.co.jp/national/obit/news/20060805zz21.htm
宇山秀雄の方が本名で、宇山日出臣島田荘司氏が姓名判断で付けた名前、だったと思います。
講談社の編集者。
一度は有名な会社に就職したものの、当時絶版状態だった中井英夫「虚無への供物」の文庫を出したい、と講談社に転職した変わり者。
新本格の立役者。
現在は、「子供の自分に読ませたい本を書いてください」と各作家に依頼し、「ミステリーランド」の刊行に尽力、されていました。
私の本棚に並ぶ本の大部分は、この人のおかげです。
もちろん、私は生前の宇山氏と面識はありません。一度もお会いした事はありません。顔さえ知りません。
竹本健治氏のウロボロスシリーズの登場人物や綾辻行人氏の小説の登場上人物(のモデル)として、あるいは様々なミステリ関連の本を通して、知っているだけです。
私が就職を意識したとき編集者になりたいと思ったのも、数ある出版社の中で講談社が無謀すぎる第一希望だったのも、この人のおかげです。
ミステリーランドの執筆が間に合わなかった作家の方、精々泣いて悔しがって下さい。そして良い作品をお願いします。それが一番の供養でしょう。
肝硬変で、かあ。らしいなあ。
天国では何年かぶりに中井英夫先生とお話をされているのでしょうか。辰巳四郎先生に小説の表紙を依頼されているのでしょうか。
告別式行っちゃおうかなあ。身内でも知り合いでもないのに勝手に行ったら怒られるのかなあ。