犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題/法月綸太郎

犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題 (カッパ・ノベルス)

犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題 (カッパ・ノベルス)

久しぶりに新刊出ました法月綸太郎。といっても短編集だが。
タイトル通り全部星座がらみ。短編集なんで長編のような読み応えはないが、その分すっきりしてて軽く読める。星座へのからみは無理やりな気がしないでもないが。
しかし法月綸太郎作品は、どれも本格ミステリとしては優れてるのに、作品に味のようなものがない。本格ミステリスキー以外には勧められない。法月綸太郎(作中人物の)が全然キャラ立ちしてないし。登場するキャラクターが道具以外の何者でもないんだよなあ。作者はそれでいいんだろうけど。一応全作読んでるのに(遅筆で作品数少ないからね)「面白かった」「よく出来てた」とは思うのに、作品の具体的内容を一つも覚えてないのは一体どうゆうことだ。私の記憶力の問題か。
作中時間がリアルタイムなのも珍しいなあ。ミクシィやら出てくるし。
現代で非クローズドサークルのミステリを書こうとして「携帯の発信記録とかってどんくらい残るんだろう」「フリーメール使ってればばれない…かなあ」「パソコンデータ消去したら大丈夫かなあ…いやいや警察なら復元できちゃうのか」etc悩んでその辺でたらめに書いたりすることが私は良くあるのですが、法月作品はそのへんすんごくしっかりしてる。きっと色々勉強してるんだろうなあ。