アラビアの夜の種族/古川日出男

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族 II (角川文庫)

アラビアの夜の種族 II (角川文庫)

アラビアの夜の種族 III (角川文庫)

アラビアの夜の種族 III (角川文庫)

プレイボーイで「この10年のベスト・ミステリー」で一位になってたので、気になってた本。ライジングサンの行き帰りに読もうと購入。
行きの電車、つまり16日から読み始めて、今日やっと読了。確かに長いけど、それにしたって時間がかかった。屍鬼なんて一週間かからず読んだのに。
舞台はナポレオンが攻めてきてる頃のエジプト。全くなじみのないイスラム教世界が舞台、おまけに当方高校時代に世界史未履修なので、かなりハードルが高い。一体何が起こってるのか把握するだけで時間がかかる…。
エジプトで3番目にえらい人の執事?のアイユーブという青年が主人公。ナポレオンの軍がもうすぐ攻めてくる、他の人は自分らが勝てると思ってるけど、多分近代的装備の奴らに勝つのは無理、とアイユーブとその主人は知っている。そんで、アイユーブは「災いの書」と言われている、読んだら最後!みたいな(多分ものすごく面白いのだろう)物語を探し出し、それをフランス語に訳してナポレオンにプレゼント、ナポレオンが本に夢中になってる間に勝利!という作戦を立てる。成功すれば主人の地位も上がるだろうし。そんでアイユーブはこっそりとその物語の語り部を探し出し、夜毎に物語を語らせて、それを口述筆記させて、本を作っていく。


語り部が語る「物語」の章と、現実のエジプトの章が交互に登場。その「物語」もそれはそれでかなりややこしい。
そして、なぜこれがミステリーとされるのが全くわからない…!のでカテゴリは[本]にしました。
とにかく読みづらかった。読むのに疲れて最後がどうなって終わってるのかもよく判らない。
全般に普通の「物語」なのに、下品な描写が思いっきり下品なのは何でだろう。作者の趣味か?
「アラビアの夜の種族」という本はもともとあって、これはそれの英訳本を日本語に訳したもの…と書いてあって、実際に翻訳の文体で、そういう「設定」なのかと思って読んでたんですが…これ本当に日本語訳なのかなあ。