戸川安宣さんを囲む会

おしゃべりサロン「ミステリの楽しさについて語ろう(日本編)」という県立図書館で行われたイベントです。ゲストが戸川さん。
「各自おすすめの日本のミステリを1冊持参してください」ということだったので、自宅の本棚の前で一晩悩んで選んだのは「オイディプス症候群」。やっぱなんだかんだで今哲学研究室にいるのはこのシリーズの影響だし。
って選んだはいいけどこれどういう話だっけあんま覚えてないぞ、と思って読み返したらすっかりはまってしまった。ナディアも年下か…。
オイディプス出たのももう5年前か…。
オイディプスはシリーズの5作目で、一作目の「バイバイ、エンジェル」が出たのが1979年、どうもこのシリーズは10作で完結だそうですが、果たして作者がご存命のうちに完結されるのか、そろそろ微妙なところです。せめて私が矢吹駆より年下であるうちに6作目を出していただきたい。
と、そんなこんなでおしゃべりサロン。
最初に参加者(25人いました)が自分の持ってきた本について話して、後半は戸川さんのお話、という感じ。
お勧めの一冊に島田荘司の「斜め屋敷の犯罪」を持ってこられた人がいて、何故か「斜め屋敷」と「占星術」、どっちが好きか、とアンケート。4対3で斜め屋敷の勝ちでした。私は斜め屋敷に一票。私の世代だと「占星術」は某漫画で先に読んじゃってるからなあ。ちなみに戸川さんは島田荘司だと「火刑都市」がお好きだとか。私は異邦の騎士が好きです。バイクで颯爽と登場する20代の御手洗潔がかこいいから。
広島で斜め屋敷の模型が展示されていた、という話になって、「それはちゃんとトリックが出来るようになってたの?」「ちゃんと落とせるようになってたの?」「ちゃんと壁一面に…」とネタバレぎりぎり。
県立図書館では今戸川さんのコレクションのサイン色紙とか生原稿を展示中なので、後半はその展示品の話へ。
中学生の時戸川さんのおじさんが通っていた料亭へ江戸川乱歩も通っていて、「甥っ子が先生のファンなので」ということで色紙を書いてもらったとか。んで乱歩に家に遊びに来るように言われて、実は乱歩邸は戸川さんが通っていた中学校と目と鼻の先にあったのに、そのことを知らなくて断ってしまったとか。そして戸川さんが立教大学に進学されてミステリ研究会を作ろうとした時に顧問になったのが乱歩の息子さんだったとか。乱歩は戸川さんが高校三年生の時に亡くなったので乱歩本人とは会ったことないとか。
後は貼雑年譜*1出版の裏話とか。
大いに賑わった!って感じではなかったですが、結構楽しかったです。何より地方でこういうイベントは貴重なので。もっとあるといいなあ。

*1:乱歩が自分で作っていた自分のスクラップ。雑誌や新聞の記事は勿論、住んでた家の間取りまで載ってる。何年か前に東京創元社から200部限定30万で出た。