魍魎の匣

公開初日見てきましたハコ!
椎名桔平関口ってどーよとか思ってましたが、実際はかなりよかったです。
というかキャラクター同士のやりとりはウブメよりかなり面白かった。コミカルなところも結構あった。
絵は綺麗だったし雰囲気も悪くない。
でも小説「魍魎の匣」の映画化、を期待して行くと痛い目にあります。
原作への忠実度ではウブメのが上。
映画の尺じゃ原作の忠実な映像化は不可能なわけで、そのために原作から描き出したいところを抽出して、物語として整合性を保つためにあちこち変更して辻褄を合わせている。その辻褄合わせのせいで無理がきてる。
小説と映画が違うのは判りますけど、やっぱ原作ファンとしては、なあ。
よりにもよってそこを変更するのか!という…。
小説が原作の映画って、最悪の出来の作品ばかりな気がする。特に原作が名作であればあるほど。
面白い小説を面白い映画にするのって、そんなに難しいことなんだろうか。
今更映像の勉強して自分で映画作りたくなってきた。
全体としては、ウブメの方がまだ良かった、というのが私の評価です。
以下、映画と原作のネタバレ感想を書きます。未見&未読の人要注意。
「ほう」だけ入れときゃいいと思うなよ!
肝心のミステリ的部分がさくっとナシにされたのは、ミステリマニア的にやはりたえられないものがある。
薀蓄も憑き物落しも御亀様も鳥ちゃんの間違いことわざも京極堂の漆黒の着流しも榎さんの大正貴族のような衣装も京極堂と美馬坂の鳥肌が立つような議論も「悪党、御用じゃ」も、全部なかった。
あと街が中国中国しすぎ。宮迫さんはもっと素の方が良いと思う。箱館ぶっ壊れすぎ。僕っ子は三次元だとイタい。
「亀山歯ブラシ!」とラストの宙吊り京極堂には爆笑しましたが。「帯をつかめ帯を!」で「お代官様おやめ下さい、あ〜れ〜」「良いではないか良いではないか」的なものを思い出した。どうやってあの状況から助かったんだろう。関口君には無理だと思う。
陽子と美馬坂の関係については最後まで名言はされてなかったですが、やっぱ近親相姦はダメなのかな。監督の好み?
ラストに伊佐間が出てこなかったことから考えると、狂骨はどうなるのでしょう。