びっくり館の殺人/綾辻行人
- 作者: 綾辻行人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/03/17
- メディア: 単行本
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前作からやけに早いなあと思いましたが、「暗黒館」からは一年半以上経ってるんですよねえ。
ちなみに「暗黒館」刊行時はドイツにいたため、向こうのお世話になってた大学の事務所宛てにアマゾンで海外発送し、現地で読みました。やれ日本から本が届いただのうわアイツ輸出しやがっただの国内外で呆れられましたが。懐かしい思い出です。
感想はネタバレで書きます。以下に
…なんだかなあ。というのが正直な感想でした。
書評サイトなんかを巡って見ても、評判はよくないようですね。
びっくり館はとくに奇抜な館ではなく、何より館の見取り図が殺人現場周辺のものしか載っていない、というのがさみしい。
館シリーズはあくまで「本格ミステリ」であり、それを彩る形で「館に関わる人間の狂気」が描かれている、と思っていたのですが、どうも「暗黒館」以降その主従関係は逆転しているようです。「びっくり館」は「暗黒館」以上に「館に関わる人間の狂気」がテーマでした。
トリックは気持の悪い仕掛けが一個あるだけ。表紙のイラストともあいまって「読んだ少年少女にトラウマを与えるような」作品ではあると思いますが…思わず壁に投げたくなるような、「だまされた!!」と叫んでしまいたくなるような、そんな感覚を求めて読むと、期待はずれです。
館シリーズは10作で完結、らしいので、後2冊…。今後もこの路線で行くのかなあ。
正直言って、寡作で作品がこうだと…ちょっとファンを続けるべきか悩みどころですね。