凶笑面、触身仏/北森鴻

凶笑面　蓮丈那智フィールドファイル? (新潮文庫)

触身仏　蓮丈那智フィールドファイル? (新潮文庫)

蓮丈那智シリーズを二冊。犀川先生が貸してくれました。
異端の女性民俗学者蓮丈那智先生が探偵役。助手の内藤三國くんがワトソン役。
本格ミステリに登場する女性キャラクターに「えー」って人が多い中*1、那智先生はアタリでした。かっこいいわあ。
どの事件も民俗学的な謎に現実の事件が絡む。
凶笑面の解説で法月綸太郎が書いていた通り、シャーロック・ホームズシリーズを髣髴とさせる作り方。
「民俗学に必要なのは想像力」と那智先生は言いますが、それにしたって推理に飛躍が多い。そんな所までホームズ似。私としてはもっとロジカルな方が好みだなあ。
それにどうも北森鴻の文章に馴染めない。下手だとかいうんじゃなくて、むしろ上手な文章だと思うんですけど。なんだろうな。単に慣れてないだけかな。
『触身仏』収録の「死満瓊」の解決編はどきどきしました。なんだどういうつもりだ蓮丈那智。

*1:推理作家は女性を描くのが下手なんだろうか。